深刻化する若者無業者問題

擁護するわけではない

色々な問題が絡み合っているのだが、何も筆者は働いていない人々すべてを擁護しているわけではない。あくまで働きたいと願っている人の中には、こうした競争社会として構造されてしまっている中、取り残されて自分の働くための意義を見失ってしまった人達に対して、こう話している。中には本当にくだらない理由で労働をしたくないと願っている人もいるからだ。それも働くことに対してやる気を自分でも止めるのではなく、企業が提供するものだと勘違いしている人もいるというのだ。人事担当をしている人も、そんな学生を見ていると最近の人はこういう傾向が強いのだろうかと頭を抱えてしまう理由も、何となく心を痛めるほどに理解できてしまう。

自分の労働条件が悪質なものだとして訴えをあげること、これも間違ってはいない。正等に働いた分だけその対価を貰うのも労働者として全うな権利だ、先の項目で述べた残業代支給をした若者の意見のようにだ。しかし最近の若者の中にはまさに曲者という言葉がこれほど適合しているのかと、驚くようなものもいるという。

2014年度5月期、この時政府が集計した結果において有効求人率がバブル経済崩壊後における最高水準にまで上り詰めたというのだ。そんな気がしないという人もいるかもしれないが、まぁそれはそれとして、こうした数字を見ると少しずつ景気は回復していると錯覚するかもしれない。ただこの数字が意味しているのは経済の上向き傾向の他に、企業に対して何故か強気で物を求める人が多くなっているというのだ。ではそんな気概を持っている若者たちが企業に対して何を求めているのかというと、

  • 職場環境や待遇面の改善を求める
  • 出来ないのであれば、別の職場を探す

というものだ。ここで使用している強気とは『会社の言いなりにならない』ということらしく、それはそれで労働者としての意識ではないだろうというのが多くの人が持つだろう。現にこうした人達は増えているという、先ほど話した男性についても当てはまるのではと思えなくもないが、これは就職活動をしている学生に当てはまる行動となっている。世の中には色んな人間がいるなぁとはつくづく思っているが、労働者ではなく就職していない学生が面接の時からこうした態度をひけらかすのはいただけない。実際に現場へと出て、社会人として訴えを挙げるのとではまるで話が別問題だ。

そしてこうした主張が通らなければ就職しない、自分にあった職場からスカウトが来るまで待てばいいだけと、そんな風に考えている人もいるという。もはや手の内どころが見つからないほどの問題児だと言わざるを得ない。

そしてこうした若者が自分を必要としている企業はないという結論に至ると、結果働かないという選択肢を取ることもあるかもしれない。景気が良くなったなどと嘘が蔓延している中、学生が就職に対して前向きになっているのはいい傾向だが、こうした点で自分というものを上手く把握していないがために就職に繋がらないと嘆いている人もいるのかもしれない。だから自分は働かないんだ、そういう若者無業者もいるのかもしれない。

若者無業者の定義

若者無業者が増加していると話しているが、そもそも若者無業者とはどのような人々の事を指しているのかについて、少し考察してみる。若者というのもここではどの程度の年齢までを定義しているのかも曖昧な気がするが、内閣府では主に『15歳から34歳までの男女』と定義している。そしてどのような人々が若者無業者として当てはまっているのか、その定義も提示されている。その当てはまる要素として、

  • 1:高校や大学などの学校や予備校、また専修学校といった教育機関に通学していない
  • 2:配偶者のいない独身者
  • 3:普段から収入を伴う仕事をしていない

この三つに当てはまっている。インターネットスラングとして使うならニートといえるが、このニートという日本の定義は実は本家では全く異なっているのをご存知だろうか。

日本とイギリスにおける、「ニート」の違い

ニートという言葉を最初に使用したのはイギリスで、この国におけるニートは日本のそれとは全く別物となっている。では実際にイギリスではどのように使われているのかというと、『16歳から19歳まで教育・の就労していない若者』と定義している。

日本で言うところのニートとは全くといっていいほど異なっており、また本来のニートとなってしまう人も経済的格差によって働くことも、学ぶことも出来ない若者達というのが正しいニーという言葉の使われ方だ。この国でニートなどと呼ばれている人々を見ると、皆まともに学校に通学して少し就労でくじけることがあったから働かないと嘆きを挙げている。それに比べたらイギリスのニート問題の方が切実なのは明白だ。日本のあほらしいほどにのん気な国民性を認識で来てしまう部分だ。

こうなると無業者、という言葉を使用している政府の見解は実に的を射ているだろう。日本でいかに自分達の事を働かないと誇らしげにネット上で語り合っている日本の現状を、イギリスのニートたちからしてみれば、何とも幸せなことだろうと憎悪の対象になってもおかしくはない。ただここでも働けないのではなく、働かないと声高らかに意思表示をしている人に対しては侮蔑を送る。日本という環境で暮らしているからこそ出来る暮らしであった。これが海を越えた先での生活になるとそんなことをしている場合ではないという現実を思い知るだろう。

無業者の中にも分類がある

この若者無業者と言う存在は、さらに2つに細分化することが出来る。それは就職活動を行ない働く意志を持っている『求職型』と、就職を希望していながらも実際の活動は何一つ行っていない『非求職型』の2つにカテゴライズできる。当然ながらまだ救いがあるのは前者で、後者についてはこれから先を見通しても自分が就職するかどうか分からないと、不透明な状況にある人の数が年々増えている。

働けるだけの力があるので働かない人を見て、快く思わない人の心理は理解出来る。でも一概にすべての若者無業者だけを攻めればいいという考えではダメだ、働かない人の中にはまだ全うに就業に対してまっすぐ取り組んでいる人がいることを忘れてはいけない。

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