ハローワークの光と影

求人募集の嘘と真実

24歳女性が若者応援企業というブランドに興味を惹かれ、今度こそ社会人としての一歩を切ろうとした矢先に、そのすべてを打ち砕かれることになった事実を公の元で暴露されたことで、安易に信じるべきではないとする警鐘を鳴らすことに成功した。訴訟をした結果はどうなることとしてもだ、安易に求人票に記載されている事実を全て信じるのは極めて危険なことだ。中には求人票に記載されている内容が明らかに異なり、入社後に付くはずの保険等も付かないといった待遇を被られることになるかもしれないのだ。企業の体質としてそうなのだからしょうがないと泣き寝入りしてしまう人もいるかもしれないが、妥協するところが明らかに違うだろう。そもそも事実と異なる待遇を科せられて黙っているほうが問題だ、その場合はやはり然るべき対応を取らなければならない。

この求人票と実際に企業との雇用契約を結ぶ時における契約内容の差異という問題は、現在でも多く騒がれている。しかもその問題の論点となっているのが、失業している人・休職中の人・またはニートといった人々が職を求めて集まるハローワークに寄せられている求人に集中しているのだ。これを聞いてまさかと思う人もいるかもしれないが、この事態は以前から騒がれていることだ。騒ぎとして大きくならなかっただけで、小さな問題として巷ではそれなりに事は起きており、その後徐々に膨らみ続けた結果として現在のような大きくネットニュースやメディアなどで報道されることとなった。

ではこの求人に関する問題とは、具体的にどのような問題が根底に存在しているのかを考察してみるとしよう。

ハローワークに集中している企業とは

筆者もそれなりに求人を見て働き口を利用した事はあるが、その中でハローワークを利用したいと考えたことは一度もない。信用していないというわけではなく、求めている仕事がないからというわけでもない。理由として、ハローワークに寄せられている求人が全て『無料で掲載されている求人』という一点にてその危険度が高いのではと直感で悟ったからだ。本来求人サイトに募集が掛けられているが、リクナビやマイナビなどの求人サイトに企業の求人募集を掲載するとなったら、その分掲載料を支払わなければならない。しかもあまり安いとは言えないからだ、例としてリクナビを見ると一番宰相のプランで掲載期間2週間という短期間の募集を掛けるとしても『12万円』という費用をかけなくてはならない。大手ならばこの程度の金額に対して動揺を見せる事無く、ポンと支払って募集を掛けるかもしれない。しかしこれが中小零細企業となったら、それだけの資金を割くだけの余力が会社運営の中で用意できないほど経営が圧迫されていたとしたらどうだろうか。また大手の中でも求人にそれだけのお金を掛けるのは手間で、もったいないと考えているところもあるかもしれない。前者は切実だが、後者にいたってはむしろそこを削るようなら大手と既に呼べるかどうかが、疑問だ。

人材募集にお金を掛けたくない、安くて手間が掛からない中で労働力の確保をしたいと考えている企業にしてみれば、ハローワークの無料で求人情報を掲載することができるというのはお得だろう。だがそれは同時に、求人募集の中には世間一般で指差されるブラック企業と呼ばれるところも募集を掛けていることを承知する必要がある。ここのところを求人情報を見ようと訪れたハローワーク利用者が陥りやすい落とし穴だと言われている。

もちろん中にはまともな会社運営をしているところもあるかもしれないだろう、しかし何十万という企業の求人から優良企業を見つけるとなったらどれ程の確率に当選しなければならないのか、もはや宝くじを引いている様な気分になる。求人がたくさん集まるからこそ実は危ないのがハローワークの怖いところで、ブラック企業に就職したくないと考えている人ほど、遭遇する可能性が通常の求人サイトよりも劇的に高くなっているので、ハローワークを利用するには用心が必要だ。

募集そのものを行っていない

ハローワークの求人での怖いところにはもう1つある、というよりこれは企業が自分たちにとって有益に事を起こせるかもしれないとする、何とも身勝手なものだ。それは元々人材を募集掛けているわけではないにも関わらず、今この瞬間あたかも人手不足を名目に募集を掛けているといった『空求人』も問題として提言されている。無料だからこそ出来る悪質な企業の虚偽行為だが、そもそもどうしてこのような事をするのかというと、企業の苦しい経営を何とか立て直そうとする画策が根付いているからだ。

それはこの国が敷いている企業間ごとの有効求人率の底上げし、何とかして情勢が良い方向に見せたいとする国としての思惑がある。そこを狙って企業が求人を出せばもしかしたら国から支援金を受け取れるかもしれないとして、募集など掛けていないにも関わらずに空求人を作成しているといった事がすべての元凶だ。つまり、今現在何とかして景気が良くなっていると国民に少しでも思わせたい、そしてそれを狙っての企業が偽の求人を出すという、裏の取引を行なっているような構図が構成されているのだ。これだけで今この国で有効と言われている求人率が明らかに怪しいことも分かるが、それ以上に企業としてもそうしたことをしなければならないだけの切迫し事情を抱えている事も理解出来る。もとより、入った後にいつ倒産するかも分からない企業に就職するようなことになるのだけは誰でも勘弁してもらいたいところだ。内情はそれぞれだとしても、ハローワークでそのような場面を垣間見えてしまうというのも複雑なものだ。

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