誤情報は珍しくない

むしろ犯罪の温床と化している部分がある

このハローワークにおける求人と実際の待遇が異なっている問題は数年前から度々問題となっているが、その数は年々増しているのが現状だ。ハローワークに寄せられている求人数としては年間8万件という求人が寄せられている、という時点でもはや怪しさ抜群だろうと感じられるのは筆者だけだろうか。そしてこの8万件の中から実際に求人情報と実際の雇用契約になった時に提示された条件が全く違うとして苦情が寄せられたのが、約8,000件という全体の1割もあるという。約8,000件というのは全国的な数字だが、この中から自分だけは怪しい企業に就職しないようにするというのは、結構難しいだろう。ただ一番唖然としたのが本来はハローワークは下部組織のはずなのに厚生労働省がこの事実をキチンと把握していなかったということに、驚きを隠せない。求職者にとってハローワークのこうした実態を知るところだったというようなことで片付けられる問題でもないのは自明の理、こうしてみると国が国民に対していかに真摯になって日々行政を行っているかが目に見える。

そもそもそこまでの仕事を期待しているわけではない、という人もいるかもしれないがさすがにやるべき事はして欲しいところだ。というのも、実際にこうした求人から犯罪に発展して、金銭を騙し取られるという事件も実際に起こっているからだ。そうした中で厚生労働省、さらにハローワークが何かしらの対策を講じてきたかどうかについても考えると、そこまで画期的な行動を起こしているわけではない。

そんな中で今年3月に起きたとある事件で、そのようなハローワークに寄せられる悪質な求人に対して初めて行政処分が下される事件が起きた。

営業停止処分という、処罰が下された派遣会社

この事件はとある求人雑誌に掲載していたところから事件が起きた。大阪にあるとある人材派遣会社で、派遣先として提示していた企業と派遣契約を結んでいないにも関わらず、人材募集を掛けていたとして大阪労働局では職業安定法などに基づいて事業停止命令を下した。この企業が求人を出していたのでは雑誌にインターネットなど47社291件で、その内108件は何とハローワークに提出されていたというのだ。そしてこのハローワークに提出していた必要書類は全て偽造されたモノというのだから、明らかに悪意があって出したものだというのがよく分かる。

そもそも職業安定法においては派遣契約を結んでいないにも関わらず、求人を出す事は違法としているため本格的な処分を下されることになった。この事件によって、ハローワークに提出される案件をいかにチェックしていないという事実が露呈することとなり、この不備をいかにして解消するべきか否かという点で今後は課題として上ってくればまた状況は変わってくるだろうと思いたいところ。

ただこうした人材派遣会社におけるありったけの人手確保というのは珍しい光景ではないという、どちらかといえば派遣会社としては今は派遣先を見つける事は出来なくても、将来的に素早く派遣するように出来るから待機していてくれ、といった言い分なのかもしれない。勝手な言い分で、雇用される人間としてはそんな事情など知ったことではないといった所だ。こうした人材派遣会社の実態としては、氷山の一角に過ぎないと指摘されている声を上っていることもあり、問題はその一端に触れたことから闇の大きさと濃さを証明しただけでしかないのかもしれない。

求人内容が異なる例として

空求人はそもそも人材を求めていないという問題で、上記に記した事件では人材派遣会社が他社よりも抜きん出るために人材確保に勤しむためとしたものでしたが、ハローワークにおける求人問題が解消したとはとても言えない状況にあるのは事実だ。求人情報と契約内容が異なるという問題はいまだ度々事が表立って出ていないだけで、かなりの確率で多くの人がトラブルを抱えていることだろう。そうした中で特にハローワークで提示されていた求人で一番多かった実際の雇用の時と違う要項は何かについてですが、軽く挙げてみるとこのようになっている。

詐欺という一言で片付けてもいいかもしれない

  • 1:実際に支給された賃金が異なっていた
  • 2:業務内容がそもそも違っていた
  • 3:雇用形態が正規ではなく、非正規雇用だった
  • 4:社会保険を始めとした保証に未加入

ここではあくまで代表的な求人票とは異なる待遇を被ることになった例についてあげて見ましたが、この中でも特に問題として上げられていたのが『賃金』の問題だ。約8,000件ある苦情の中で全体の約2割強となる2,000件が、賃金で揉めたというのだからお約束とも言える展開だ。次にこれもまたありがちなのが業務内容がそもそも違っていたというのも、良く聞く話かもしれない。事務をするはずだ、気付けば現場で建物の解体作業という名の事務作業をしているみたいなことをさせられているようなケースのようなものだ。少し誇張しているととられるかもしれないが、仕事内容を偽るとしたらそれこそ魅力的な仕事を書いて、いつかは事業を立ち上げるから今はこの仕事をしてくれといった言い訳を企業が用意しているだろうなぁと予測してしまう。

またやはりこれもありがちなのが雇用形態についてだ、正社員として入社するはずだったのに雇用されてみれば『非正規雇用』だったとするのは、もはや詐欺行為に等しいだろう。これはとある男性がそれまでに他の企業から三社の内定を取得していたにも関わらず、ハローワークが紹介した案件だからといってこちらを選んだ結果が非正規雇用だったというのだ。もはや泣くに泣けない状況であり、企業に裏切られたと取れるような事態でもある。

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