
お泊り保育でイベントをするねらい
お泊り保育ではイベントをするのが一般的となっています。宝探しやキャンプファイヤー、クッキングなどその内容はさまざまですが、お泊り保育でこうしたイベントをする「ねらい」は何なのでしょうか?
普段とは一味違う体験で成長、達成感を味わう
普段とは違う環境での体験を通して、子どもが成長し、達成感を味わうことがねらいの一つです。園舎にお泊りするにしても、園の外の施設でお泊りするにしても、家族以外と寝泊りするというのは子どもにとっては楽しみでもあり、同時に不安を伴う体験でしょう。
お泊りというシチュエーションはもちろん、イベントを通して普段とは違う体験をすることで新たな発見や感覚を知り、子どもは成長するかもしれません。その中で、子どもがやりきったという達成感も感じられたらいいですね。
仲間意識、協調性をはぐくむ
イベントを通して友だちとの仲間意識、協調性を育むことができるでしょう。お泊り保育を経験する年長さんは社会性を学んでいく時期です。お泊り保育の期間中に友だちと協力するイベントや製作遊びをすることで、普段と違う環境の中、友だちと協力する楽しさや大切さを学んでくれるかもしれません。
楽しい時間を過ごすことで自信をつけ、自立につなげる
保護者と離れて楽しい時間を過ごすことで自信をつけて、それが自立につながることもお泊り保育のイベントを通して目指すねらいの一つです。家にいれば保護者がやってくれたり手伝ってくれることを、保育士の手伝いはありますが、基本的には一人で行っていきます。
そのようなお泊り保育の中で「自分でできた」という感覚は自信につながり、家庭やその後の保育の中で以前より自立した姿を見せてくれるかもしれません。
お泊り保育イベントのアイデア
では、具体的にどんなイベントがあるのか、大まかなジャンルごとに紹介していきます。
仲間と協力して楽しむイベント
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宝探し
園内に隠されたお宝を見つける、宝探しゲームはいかがでしょうか。お泊り保育のテーマに沿った宝探しの導入や子どもたちの好きな絵本やキャラクターに関するヒントをもとに、子どもたちが楽しくお宝を探せるように準備しましょう。チームや友だちと協力してお宝を見つけることで、仲間意識や協調性をの芽生えにつながるかもしれません。
怪盗からの挑戦状、絵本のキャラクターからの手紙という形で、子どもたちが物語の世界に入りつつみんなで楽しめるような準備をしたいですね。
スタンプラリー
園内や園外でのスタンプラリーも定番のイベントです。チームになって、園や園の近くに隠されたチェックポイントを探して、ゴールを目指しましょう。
チェックポイントにはなぞなぞのような問題や保育士など担当者が立って課題を出すなど、あちこちにみんなで走り回るような楽しいスタンプラリーにしましょう。ゴール地点に折り紙のメダルやおやつなどの景品があるとより子どもたちもわくわくするかもしれません。
園外で行う場合は、施設選びや安全性を考慮した上で企画するようにしましょう。
見て、体験して楽しむ
お化け屋敷、肝試し
少し暗くなってきたら、お化け屋敷や肝試しをしてもいいでしょう。怖いイメージのあるお化け屋敷や肝試しですが、本当に怖い思いをさせてしまわないように、みんなで夜の園やまちを探検程度の気持ちで。怖いと感じる子どももいると思いますので、お化けをテーマにした明るい歌や手遊びで導入して、明るく楽しい雰囲気で実施しましょう。
お化け屋敷をする場合は、お化け屋敷を段ボールやPEテープのような身近な素材を使って子どもたちと一緒に作ってもいいですね。
先生の出し物
園の保育士さんたちで企画して劇や、ペープサート、手品のような出し物をしてみてもいいでしょう。保育士さんたちの準備などの負担はかかりますが、劇やペープサートなど普段はなかなか見ることができない先生たちの出し物に子どもたちも喜んでくれるでしょう。
劇やペープサート、手品などに使えるネタ、小物などのアイデアはこちらから
キャンプファイヤー、キャンドルサービス
キャンプファイヤーやキャンドルサービスをするのもいいでしょう。
キャンプファイヤーの大きな炎や暗い中で揺れるロウソクの火はとても幻想的。そんないつもとは違う雰囲気の中、楽しい時間を過ごす時間は普段の保育ではなかなか体験できないため、子どもの思い出に残る体験になるのではないでしょうか。火を囲んで定番の歌を歌ったり、踊って楽しい時間を過ごしましょう。
火を扱うということで周囲の安全や子どもたちへの注意を忘れずに。
達成感を味わうイベント
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料理(クッキング)
夕ご飯を自分たちで作ってみるのも子どもにとっては大きな体験です。カレーなど定番の子どもたちが好きな料理を作ってみましょう。普段は調理員さんや家族に作ってもらう料理を「自分たちが」しているというのは子どもの自立にとって大きな出来事。子ども向けの包丁やまな板を用意して安全を確認しつつ、一つの料理を作ってみるのもいいですね。
記念品製作
お泊り保育を思い出せるような記念品を作るのもいいでしょう。実用的なものに色を塗るだけでも、季節の工作でも、園に飾ることができる絵でも、子どもたちがお泊り保育をして楽しかった、やりきったという思い出をふとした瞬間に思い出すことができるようなものがよさそうです。
表彰式、解散式
解散の前に賞状やメダルを渡して、お泊り保育をやりきった子どもを認めてあげましょう。子どもにとって保護者と離れてお泊りする時間は楽しいことも多いかもしれませんが、うまくいかないこと、不安になることもきっとあるでしょう。お泊り保育を通じて、子どもは何らかの形で始まる前より成長しています。そんな子どもたちの成長や頑張りを認めてあげるのも一番身近で過ごした保育士の役割かもしれませんね。
お泊り保育に欠かせないイベント
お泊り保育にはさまざまなねらいがあります。日常保育の中に具体的なねらいとその達成の方法を設定するように、お泊り保育のそれはイベントを通して行われることが多いです。準備やアイデア出し、テーマ決めに時間や手間はかかりますが、それも子どもが楽しんだり成長するのに必要なもの。具体例としてあげたようなイベントなども活用して、お泊り保育を成功させましょう。